LD(学習障害)とは?その定義や診断方法を紹介します

発達障害

こんにちは、たこわさびです。
今日はLDについて、ご紹介しようと思います。

LD(学習障害)の定義

LDとは「Learning Disabilities」の略で、「学習障害」を表します。
学習障害とは文部科学省にて以下のように定義されています。

 

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.htm

 

ポイントをまとめると

・LDと知的障害は異なる
・6つの基本的学習能力のどこかに困難をもつ
・なんらかの脳機能の障害が原因とされている
・他の障害が主たる原因ではない

これらがLDの定義の特徴です

 

発達障害についてはこちらから

「発達障害」とは?

 

医学と教育での定義の違い

また、上記の定義は教育的定義と呼ばれ、医学での定義とは異なります。
医学的定義では、アメリカ精神医学会が示す診断基準DSMーⅣや、WHO(世界保健機関)の疾病分類であるICD-10によって定義されています。
医学的定義では、さらにその特徴によって細かく分類され、以下のように分けられます。

・読字障害(ディスレクシア)・・・読みの困難
・書字表出障害(ディスグラフィア)・・・書きの困難
・算数障害(ディスカリキュリア)・・・算数、推論の困難

このように「読み」「書き」「算数」のつまずきに限定しており、教育的定義との違いは「聞く」「話す」ことも含むかどうかです。
また、診断基準であるDSM-5では「限局性学習症(SLD=”Specific Learning Disorder”)」に名称が変更されました。

図で違いを示すと以下のようになります。

 

 

LDの特徴とは?

LDのその特徴は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」の6つの能力にばらつきがあり、どれかが苦手であったり、複数のものの習得や使用に困難を示すことです。
例えば
「聞き間違いがある」「漢字の細かい部分が書けない」「計算や暗算が難しい」等です。
また、正しく文字等を「読む」ことが苦手である場合、「書く」ことにも影響がありますので、「読み書き」「聞く話す」「計算推論」は影響を受けやすい関係にありますので、一つの能力にばらつきがあっても、そのために複数の能力に影響が出ることが多くあります。

 

LDの原因とは?

これはLDに限らず、発達障害全般もそうですが、LDの原因は「育て方」「愛情」の問題ではなく、「中枢神経系に何らかの機能障害」があると考えられています。
未だはっきりと原因が特定されているわけではありませんが、脳の機能障害だと考えられているので「努力でなんとかなる」とか「本人の甘え」というわけでは決してありません。

 

学校や生活でのつまずき

LDはその能力のばらつきによって、学習上や生活において様々なつまずきや困難を感じることが多くあります。

子どもであれば

・教科書に書いてある文字を見分けられない
・先生の話していることを聞き取れない
・黒板の文字は読めても、ノートに書き写せない

大人であれば

・マニュアルを読むのが難しい
・メモを取るのが難しい
・言われたことをその場で理解するのが難しい

あくまで一例ですが、このような例があります。

 

知的障害とは異なる

よく誤解されることですが、LDや発達障害は「知的障害」とは異なります。
そもそも知的障害とは
「全般的な知的機能が同年齢の子どもに比べて遅滞している」
「適応機能に制限がある」
「18歳未満までの生じる」
とされており、LDはあくまで「学習能力の一部」に困難がある状態を指します。
そのため、人間関係を形成することや生活能力に問題がないことも多くあります。
この誤解により、苦しんでいる発達障害の方も多いので、注意が必要です。

 

LDの判断はどうやってされる?

LDかどうかという判断は専門家の医師でも難しい場合が多いです。
それはLDには知的機能の遅れはなく、日常生活で気づくことが少ないからです。
そのため、就学前に発見することは難しいとも言われていますし、大人になってから「実はLDだった…」と診断されることも多くあります。

そのため、以下のようなチェックリストが用いられる場合もあります。

LDの気づきのチェックリスト

【聞く】
・聞き間違いがある(「知った」を「行った」と聞き間違える)
・聞きもらしがある
・個別に言われると聞き取れるが、集団場面では難しい
・指示の理解が難しい
・話し合いが難しい(話し合いの流れが理解できず、ついていけない)

【話す】
・適切な速さで話すことが難しい(たどたどしく話す・とても早口である)
・言葉につまったりする
・単語を羅列したり、短い文で内容的に乏しい話をする
・思いつくままに話すなど、筋道の通った話をするのが難しい
・内容をわかりやすく伝えることが難しい

【読む】
・初めて出てきた語や、普段あまり使わない語などを読み間違える
・文中の語句や行を抜かしたり、または繰り返し読んだりする
・音読が遅い
・勝手読みがある(「いきました」を「いました」と読む)
・文章の要点を正しく読み取ることが難しい

【書く】
・読みにくい字を書く(字の形や大きさが整っていない・真っ直ぐにかけない)
・独特の筆順で書く
・漢字の細かい部分を書き間違える
・句読点が抜けたり、正しく打つことができない
・限られた量の作文や、決まったパターンの文章しか書けない

【計算する】
・学年相応の数の意味や表し方についての理解が難しい(三千四十七を300047や347と書く・分母の大きいほうが分数の値として大きいと思っている)
・簡単な計算が安産できない
・計算をするのにとても時間がかかる
・答えを得るのにいくつかの手続きを要する問題を解くのが難しい(四則混合の計算・2つの立式を必要とする計算)
・学年相応の文章題を解くのが難しい

【推論する】
・学年相応の量を比較することや、量を表す単位を理解することが難しい(長さやかさの比較)
・学年相応の図形を描くことが難しい(丸やひし形などの図形の模写・見取り図や展開図)
・事物の因果関係を理解することが難しい
・目的に沿って行動を計画し、必要に応じてそれを修正することが難しい
・早合点や、飛躍した考えをする

これは2003年に文部科学省が実施した「通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」で使用されたチェックリストです。
これらに当てはまることが多い場合は専門家に相談することも一つの手です。

また、医師などの専門家の用いるDSM-5では以下のように診断されます。

A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6ヶ月間持続していることで明らかになる:
(1)不的確または速度が遅く、努力を要する読字(例:単語を間違ってまたゆっくりとためらいがちに音読する、しばしば言葉を当てずっぽうに言う、言葉を発音することの困難さをもつ)
(2)読んでいるものの意味を理解することの困難さ(例:文章を正確に読む場合があるが、読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解していないかもしれない)
(3)綴字の困難さ(例:母音や子因を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりするかもしれない)
(4)書字表出の困難さ(例:文章の中で複数の文法または句読点の間違いをする、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない)
(5)数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ(例:数字、その大小、および関係の理解に乏しい、1桁の足し算を行うのに同級生がやるように数字的事実を思い浮かべるのではなく指を折って数える、算術計算の途中で迷ってしまい方法を変更するかもしれない)
(6) 数学的推論の困難さ(例:定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、または数学的方法を適用することが非常に困難である)B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度および総合的な臨床消化で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全には明らかにはならないかもしれない(例:時間制限のある試験、厳しい締め切り期間内に長く複雑な報告書を読んだり書いたりすること、過度に思い学業的負荷)。D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または精神疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。
(日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年 医学書院/刊 p.65)

 

LDの子たちに対する支援方法

 

LDは本人が「できない」ということで悩んでいる場合がほとんどです。
決して「できなくてもいい」とは思っていませんし、本人の努力でどうにかなるものではないので、叱責やプレッシャーを与える言葉がけは逆効果です。
それよりもまず「苦手なことを認める」ことがなによりも重要です。
そして専門家の支援のもと、苦手と向き合い、その子にあった教材や勉強法を使って、苦手を克服したり、代替手段を用いて能力の活かし方を考えていくことが重要となります。

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